超今更ですが

今更な筈なのに未だビッチだの何だの言われてる不思議。いやもうほんと何故だか全くわからないのでその話。ネタバレ全開なんで注意です。



■ヨヨ(バハムートラグーン
これを昨日クリアしたのでこのエントリを書こうと思ったんですが──どこが悪女?


確かに主人公に対して無神経ではあるけれど、無自覚な訳ではないようだし、現実にいっぱい居ますよ?「あなたは大事だけど恋愛対象じゃない」と公言しちゃう人間。それが好意を寄せられてるのがわかってる場合であってもです。


そもそも主人公達の属する<反乱軍>の行動にも散々否定的な部分を見せられ、後半では敵である<帝国>からの支配を解放すると同時に、過去の悪習であるハーレムを復活させる国なんかも出てくるし、帝国側の決して<悪>と断じてしまえない部分も見せられ、チクチクチクチクと『君たち(主人公=プレイヤー達)だけが正しい訳じゃない』『全てを/全ての人に、認めてもらえるわけじゃない』と指摘され続けるわけです。
そしてその流れの中で『ヒロインの心が主人公に向いている(厳密には向き続けている、か)とは限らない』とも言われてるだけで。


本来上記は至極当然なことばかりであって、それに腹を立てるというのは、<主人公=プレイヤーたる自分は正しい。誉めそやされるべきだ。ヒロインは自分を盲目的に永遠に愛すべきだ>という盲信、敢えて言えば<お約束>に囚われているからなんだろうと思います。



アリシアLIVE A LIVE・中世編)
先程、<お約束>という言葉を使ったのはここに繋げるためで、これがあらゆる<お約束>を否定するためのシナリオとして作られているからです。

詳しくは下記のサイト様を是非。

ゲームを語ろう(ttp://homepage1.nifty.com/sawaduki/index.html)内、
おとぎ話を越えて〜「ライブ・ア・ライブ」の再評価(ttp://homepage1.nifty.com/sawaduki/game/sawa/live2.htm
異端として生きる類型 「ライブ・ア・ライブ」の物語機能的再考(ttp://homepage1.nifty.com/sawaduki/game/sawa/live3.html

というか、上記サイト様を読めば私の拙文は読む必要なんて無いんですが。


賞品にされてそれに疑問を抱かないお姫様。人柄も知れない主人公に一目惚れしなければならず、疑念無しに信頼せねばならず、魔王に攫われなければならず、きっと本来は魔王に勝った事の賞品として、主人公に与えられる<お約束>であったであろうお姫様。

実力は拮抗しているのに、主人公に勝てないライバルの親友。どれだけ力添えしても、命を掛けてさえも、プレイヤーで無い以上何も得られないであろう<お約束>。


<お約束>を抜け出し、一個の人間の行動として見た場合、おかしいのは抜け出した彼らか?それとも与えられるのが当然だと思ってる主人公=プレイヤーか?



以下をコメント有りで見て下さい。主人公=プレイヤーの意にそぐわないことが悪だと、何の疑問も持たず信じている人達を。彼らは一体何を見て名作だと言っているのか。自分達が何を見せられたのかもわかっていないのに。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm522978

オルステッドが言う『おのれの勝利に酔いしれ敗者を省みないものたちに』(9:49頃)は明らかにプレイヤー自身に向けられているというのに。



■まとめ
三大悪女、三人目は色々説があって「これが三人目」とは言えないようなのですが、私に言わせればどれも悪女じゃありません。ただ、主人公=プレイヤー(もしくはそれに類するキャラクター)を見つめ続けないだけ。
気持ちが変わること・移ることを全力で否定しすぎだと思います。


<主人公だから全てを得られるなんて言うのは幻想なんだ>と、本当は当然のことを、我々の前に敢えて曝け出したことが、名作たる所以だと、私は思っています。



■意地の悪い妄想
主人公=特別な存在、という神話は未だに刷り込まれてるようですし、

エンディングが主人公以外のパーティーメンバーはヒロイン含めて各々カップリングを成立させ幸せになるも、肝心の主人公は特別な何事もなく、人々にも普通に忘れ去られていき、普通に死んでいく。
(現代でもほとんどの人は第二次大戦で誰がどんなことをして晩年どう亡くなったのか知らなかったりしますしね。日本人でもそうですし、外国人の英雄なんて尚更。)

とかにしたら話題にはなるんじゃないですかね。


きっと大叩きされるんでしょうけど。