FE聖魔の光石/プレイ後感想


取って付けた様なファイアーエムブレムの扱いは置いておくとして、負の感情を悪に付け込まれるって構図はいつまで使いまわすんでしょう。

死者の蘇生の是非というテーマは猿の手や、果てはイザナギイザナミ神話なんかにも見られるメジャーなモノですが、オルソンは「狂ってる」で片付け、リオンは「負の感情に付け込まれる」で片付けてるのは余りに話が浅いです。製作者の方々は京極夏彦あたりは読みましょう。


今作は経験値というリソース分配を捨てており、それは個人的に良かった点です。いや、ほとんど活用してませんが。古参のFEファンからはそこが評判悪いようですがそれはあまりに保守的です。
旧来のように本編だけでの経験値分配だけでのプレイングも可能な状態にはなっており、無限に経験値が稼げるからといって否定してしまうのは間違いです。
基本的には一人用オフゲなのですから、旧来のようなプレイをしようが、レベルを上げきってからプレイしようが、それは個人の裁量で行えばいいことで、むしろ経験値分配するしかなかった旧来の作品よりもプレイングの自由度は上がっており、ゲームとしての懐の深さが広がったと見るべきだと思います。

完全な別物になっているのではなく、変わらない部分は変わらないまま、そこに新しいモノを持ち込んだ点は評価されてしかるべきでしょう。


一方、魔物の存在により、光魔法が使えすぎる点や、エイリーク編エフラム編をわざわざ分けた点、隠しキャラの使用のために複数回同じマップをやり続けなければならない点は大いに問題があると思います。
後はマップの作り、特に魔物が敵としてでてくるマップは一本道に敵が沸き続けるだけというつまらないものになってしまっていてどうにも。

三すくみシステムの弊害だとは思いますが、以前のFEでは「敵の~~部隊」といった国家やそれに属する部隊の特色がちゃんとあったように思います。偏ったユニットで編成された部隊なんかが説得力を持って出てきていました。
それが混成してなんの脈絡もなく増援として沸いてくる状態は、背後設定が全く見えず何とも味気ないものです。


敵が単なる「お邪魔キャラ」でしかなく、同マップを複数回クリアさせる作業を求め、ストーリーの骨子は焼き直しですらない使いまわし、そういう厚顔な製作の在り様こそが、FEの一番の問題なのかも知れません。


断っておきますが、私はシミュレーションゲームとしてのFEは結構好きです。嫌いならやりませんし。ただ、もったいないなぁと思うのです。せっかくいいゲームなんですから、もうちょっと深く、もうちょっと先へ。そう願っています。