1997年のxenogeasから始まり、xenosagaEP1/2/3で一応の区切りがついた(続編の話がまだ出てないから)xenoシリーズを今(2006.9.28)やり終えました。
 それを受けて、思ったことや言いたいことが有るような無いような状態です。本来web上に垂れ流せるような、確とした私論が未だ形になってる訳ではありません。
 ですが、メモを取る意味を込めて、今、頭にあることを、整頓せずに、好きなように、ちょっとずつ書き殴ろうと思っています。
 読み難いでしょうが、読んで下さる方が居られればお付き合い下さい。

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○オルムス周りとキリスト教

 おそらくゼノサーガにおいては、キリスト=ケイオスであり、ひげのおっさん(=イエス)は、キリストを名乗って宗教を起こした人、なんじゃないかなぁと。おそらく世間一般には、このおっさんが認められてオルムス教になったんだと思いますが。

 あ、<キリスト>という単語は本来的には<イエス>を指す訳ではないです。お間違えなく。
 元々は<香油を注がれた者>という意味のヘブライ語<メシア>のギリシア語訳で、<救世主>と訳されるのは後代になってからのキリスト教における慣習でしかなかったりします。



 で、です。
<Y資料>とは我々の現実世界で言うところの<聖書・もしくはそれに類する外典ヨハネ黙示録等―>とかだと思うんです。
 キリスト教において<キリスト=救世主=(神たる)御子=神の代弁者>であり、<聖書>というのは<神>が<御子たるキリスト>に語らせた言葉を纏めたものです。つまり<神の言葉>でもあり<キリストの言葉>でもある。

 これをゼノサーガに当て嵌めると<神>が<イェオーシュア>に語らせたものが<Y資料>、もしくは<神の言葉>を<イェオーシュアの口を借り>て、<ヒト>に伝えたものが<Y資料>なんじゃないかなぁと。


 <Y資料>の『Y』がヨアキムの頭文字に見えるのは恐らくミスリードでしょう。
 イエス・イェオーシュア・ヤハウェヨシュアヨハネ、ざっと見ても、全て頭文字が『Y』でもおかしくない単語です。どれが正解かはヘブライ語等知らない私にはわかりませんが…
 <Y資料>とは<Yの言葉=神の言葉=聖書>だと思うのです。いや、ヨハネの場合は違いますね。<神の預言=ヨハネの言葉=ヨハネ書>ですか。<滅びを示唆する書>としてはこっちの方がサーガに合ってる気もしますね.


 で、上記とゲーム内データベース(以下DB)から考えると、メシアはやはりケイオスでしょう。メシアの伴侶=マグダラのマリア=マリアとします。ここでも<メシア>とは<キリスト>であって、イエスとは限らないのです。

 また、DBから『ケイオス・マリアがアニマ・アニムスの力を持つ』とあります。ユング心理学の言葉であり、詳しくは省きますが、アニムスは<切断の力・論理の力>です。アニマ・アニムスはグレートマザー(太母)とセットで語られることの多いもので、グレートマザーの呪縛を断ち切るために使われるのが、アニムスの力なのです。
この辺はギアスの方に色濃く出ていますね。
 DBで『マリアがケイオスのアニマの力を<切断>した』とあるので間違いないでしょう。分断等でもいい所を敢えて<切断>と書いたことには意味があると思います。
 また、サーガではヴィルヘルムがこのグレートマザーに当たると考えています。ケイオスが対存在なのも頷けると思いますが如何でしょうか。


 少し話が逸れますが、キリスト教においてはしばしば<女性性の欠如>が問題となってきました。<神=父><キリスト=子><聖霊>は有っても<母>は無いのです。<女>の無い男性原理の宗教だった訳です。

 例えば、マダグラのマリアは<キリストの性の部分>とされ<罪の女>と言われます。(後に改悛して守護聖人になりますが。)また、イエスの母であるマリアも処女懐胎です。
 キリスト教はこのように<性の部分>を否定してきた宗教です。(現在は違いますよもちろん)

 でも、それって<ヒト>としておかしいですよね。男女の性行為を経て子を為すのが<ヒト>ではないでしょうか。<ヒト>が<ヒト>足る為には、父と母と子が必要なんです。そして子はまた父と母になっていく…これはギアスを読み解いてる方なら既知の事柄でしょうが。

 ここにユング心理学を当て嵌めたのはとても面白い。アニムスの無いアニマは<不完全な状態>とされるのです。アニマの力はアニムスの力を伴わないと意味が無いんです。場合によっては、越えるべき<母(グレートマザー)>も必要なんです。

 また、キリスト教グノーシス派は極度の禁欲を己に課しました。そのせいで、子を作り次代に教えを繋ぐこともなく、広くは根付かなかったのですが。


 これらを踏まえてサーガを見ると

・キリスト(オルムス)教=男性原理の力(アニマの力の突出)=女性性の欠如(アニムスの力の喪失)
・極度の禁欲(アニムスの否定)のグノーシス派(グノーシス)誕生

があり、そのために世界は散逸に向かったのではないかと。

 その世界を散逸させないためヴィルヘルムは<永劫回帰(=閉じた世界=グレートマザーの齎す世界)>を作成・維持していたんだけれど、それがシオンらの時代になって、ヴィルヘルムの作った世界(=グレートマザーの呪縛)を断ち切り、アベルにアニマ原体をネピリムにアニムス原体を託した。だが、未だ<完全な状態=アニマ・アニムスの満たされた状態)>にはなっていないため、ケイオスもコスモスも役目を終えていない。

のではないでしょうか。
 これがアベルとネピリムを祖とする世界で<完全な状態>になるのが以降のエピソード(ギアスに似たもの)なのではないかと。



○追記

 ヴィルヘルムですが、磔刑の時イエスの死を確認するために、槍で突き刺した人間が居たでしょう?ロンギヌスことガイウス・カシウス。あれじゃあないのかなぁと…これはもう本当に何のソースも無い妄想なんですけど.

○追記2

 現実に<シオン修道会>というものがあります。<秘密文書>を持ってたんですが…捏造でした。でもこれもサーガと繋がってもおかしくない気もしますね。
 てか<シオン>という単語はユダヤ教キリスト教に絡んでいっぱい出てくるんですよね…。『シオニズム=シオン(エルサレム市街の丘の名前)の地に帰る』という意味といったものまであるんですが、これが一番サーガ内の過去のマリアと出会っていたシオンに関連付けられるかも。