魔女と百騎兵考察・BADENDまでやった上での二周目再読プレイその14

二周目プレイしながら、諸々考察していきます。
基本的にネタバレしかありません。
例えば○○というキャラが出てきた時点で、「こいつはラスボスだからこの時云々かんぬん」みたいなことをしていきます。
なので、まだBADENDを見ていない方は読まない方が賢明です。


内容に関してのツッコミがある場合は是非コメント下さい。
ただ、妄想・思い込みの類は勘弁を。ちゃんとゲーム内ソースから導き構築されたご意見をお願いします。







○第五幕第十二章
記事が変わってるのに章が進んでないのはたぶん初めて。



▽ヴァレンティーヌのひずみ
ドルチェでもジェラートでもスィガーロでもなく『ヴァレンティーヌのひずみ』。
単体ではなく3人まとめてのお話なわけですね。



・華の魔女ドルチェ=デッラ=ヴァレンティーヌ大公爵
碧斑病。ジメジメ好き。魔女会筆頭のネザリアを赤子のようにひねる最強の魔女。
百騎兵を見てると右眼(眼帯をしてる)が疼く。



・褒められたくて大公爵やってたジェラート
大人としてはどうかと思うけど、ちょっと可愛い。
真面目に見ると、恐らくは分身としていきなり大人で生み出されたために、子供時代という期間を通して普通に成長や成熟をしてこなかったのだろうなと。
親やそれに類する大人が居る状況で、ちゃんと子供時代を過ごすというのは大事なことなのでしょう。たぶん。詳しくはないですが。



・「ある世界に与えた影響は何かしらの形で他の世界に影響を与える。」
ウツシででも、ワタシの世界ででも触れられる、今作品の世界観というか世界法則です。
今思ったんですが、ビスコを生き返らせた影響って他世界にどういう影響を与えるんですかね。
他にはニケを殺した影響はなんだったのか、とか。



・編纂者
・「ひずみとはこんな感じで世界が割れそうになっている場所のことだ。」
メタリカの言い様からすると、これを倒すことでひずみに楔を打ち込めるようになるっぽい。
つまりは、この世界の秩序や法則を崩させないように存在するガーディアンでしょう。
守護者とするとピラーの守護者と言葉がかぶるので編纂者、と。
さて、その場合学園世界の後のチュートリアル世界で、あのトカゲが編纂者だと判明していたわけですから、チュートリアルの流れ的に、百騎兵に知性(兜)を与えたことがひずみを広げたことになり、そこから百騎兵を引っ張りだしたということになります。
世界間移動を行わせるためにはひずみを広げる必要があるのか、それとも百騎兵自身があの世界における法則なり秩序なりを担っていたのかはわかりませんが。




▽ベルダのひずみ
ここでカルマ140まで上げておけば、あとは順序良く各ひずみを済ませることで貰えるカルマだけで最後まで行けます。
ヴァレンティーヌでカルマ60貰ってるので残り80。
ベルダイベントのある城下町で6件ほど制圧すればカルマ150になりおしまいです。


□一回目
「空間がすれ違っているからベルダからは百騎兵が見えてない」って、またそんなその場しのぎっぽいこと言われても…。
時間軸がずれて古い情景が見えているようですが、再構築の際に混ざった欠片、とかでしょうか。
一応、この記事の最後で考察してみてますが。


この時点で「灰汁の魔女」と二つ名はすでにあるようです。
あと泣き虫。



□二回目
子供ハインツ登場。
そしてこの時点で夜会に参加しているので実力はそれなりにある模様。
ただしみんなから苛められてるらしい。後輩のラヴィからもきつく言われてるようなので新人いびりではなさそう。
それを知ったハインツが「お姉ちゃんが苛められないようにオレが守ってやる。」だそうで。
子供なのにもうイケメン。
よくよく考えると、この辺の感情が根っこになって、夜会の魔女に敵愾心を抱くことになったのかも知れませんね。
だとすると、元々の目的を見失って権力奪取に腐心してしまったんですね、ハインツは。
教皇に引き取られたのがまずかったのか、王族との婚約がまずかったのか。



□三回目
ベルダがハインツを聖歌隊に入ることを勧め、そこでダムー卿の目に止まって養子になった、と。
…まさかダムー卿による性的虐待があって、それでハインツとジャックが歪んでいったなんてことは…か、考えすぎだよね!
まあダムー卿の思惑は単に子宝に恵まれなかったからぐらいとしておいて、肝心のベルダの方は執着が始まってる模様。
ショタェ…。



□四回目
ひずみ顕現。
この次の日から宮廷付きに。そして同時にハインツがビスコと婚約。
聖歌隊(声変わり前)の頃から、婚約するような年にまでなってる、ってことで前回イベントから時間的には少なくとも数年が経っているはず。
婚約の報を受けて「だって私達の計画はこれからなのに!!!」と言ってます。


この<計画>ですが、婚約相手が第二王女と確認するや「なんで…どういうこと…。」「どうして私じゃないの?相手が王女だから?」「若く美しいから?」と驚き、さらには「許さない。絶対にそんなことさせない」とまで言ってることから、王族との婚姻を要とした<魔女の鉄槌>計画を指すのでは無さそう。
では、<これから始まる筈だった計画>とはどんなものだったかと考えると、私的には3つ。

ハインツの優しい計画説

ハインツとベルダ(とジャック)は連絡をずっと取り合っており、その中で長年話し合ってきた計画だった場合。
宮廷魔女になったタイミングで「これから」と言っており、『ベルダを王宮で出世させ、ハインツは異端審問官(≒教皇庁)の権力増大を図り、夜会含む魔女たちの力を削いでいく』ぐらいの、比較的緩やかなモノだったんだじゃないのかなぁと。
ハインツがベルダとの結婚までを考えていたかどうかはともかく、昔なじみのお姉さんとして見ていたなら、子供の頃の約束通り、ハインツがベルダを守るための優しい想いからの戦いだったのかも知れません。
ベルダとしては婚約報告への反応から、自分がハインツと結婚する気満々に見えますが(苦笑)。
それが王族との婚姻によって、ハインツの目標をもっと大きなものに変更してしまえる状況になったことが、ハインツを変えてしまった、とか。

<魔女の鉄槌>の元となった計画説

ほぼ上記と変わらないけれど、ベルダを守ることが主軸ではなく、すでに魔女排斥が主軸となってる場合でしょうか。
優しい計画では無くなってる訳ですね。
この時点ではまだ王族との婚姻は計画に無く、婚約話が持ち上がったからこそ、王族との婚姻までがプランに組み込まれ、後にメタリカ処刑までが組み込まれた、と。

ベルダひとりよがり説

<私たちの計画>が実際に二人ないしジャックを含めた三人で立てた計画ではなく、ベルダ一人が勝手に立てた「ハインツと結婚するための計画(=私たち二人の未来の計画)」という、うすら寒い笑えないものだったりした場合。
その場合、宮廷魔女になったのも、ダムー卿の息子という貴族側に居るハインツと会いやすいようになるため、でしょうか。
ソースとしては、ベルダの反応から「婚約するかも知れない、そんな話が持ち上がっている」みたいな報告が、ベルダには行ってなかったらしいこと。
寝耳に水、みたいな反応なんですよね。
報告自体も魔法文であり、ハインツ個人からベルダ個人に宛てたものかどうかも怪しいレベル。
もし私的なモノなら「ハインツからだわ!」って喜びそうですし。
王宮関係者全員に送られた伝令とか、魔女会の情報とか、そういう範囲での情報っぽく感じます。
ハインツはベルダのことなんてすでに子供の頃の微笑ましい記憶程度で、ビスコとの婚約を純粋に喜んでたり、すでに野心が芽生えていて、ほくそ笑んでたりするのかも知れません。



婚約報告を受けたベルダの反応的にはひとりよがり説な気もしますけど、そうなると<魔女の鉄槌>計画のプラニングがかなりカツカツだったり、そこへのベルダの参入が遅かったりといった問題も出てくるので、どうにも綺麗な形にならないんですよね。
そうなる原因ははっきりしてて、ハインツの描写不足。
<魔女の鉄槌>やベルダや王国や魔女やダムー卿やビスコヒルダといった諸々に対して、どう考えどう思っていたのかが全く描写されないので、彼の周りの出来事はどうにも輪郭がぼやけてしまっています。
ミトン死亡時に「自分はもうあの頃とは違うんだ」的な述懐があるので、ミトンに手袋あげた時期〜ミトン死亡時のどこかで、権力奪取を決意し行動を始めたとはわかりますけど、その期間がどれぐらいのものかもハッキリしませんしね。
少なくともミトンはメタリカに依頼をしにいくまでに、外道化末期になる程の期間があるわけで、手袋を上げたのがビスコとの婚約より以前なのか以後なのかすらはっきりしません。
ジャックもそうですが、もうちょっと頑張って彼らの描写をして欲しかったものです。




閑話休題
少し先走りますが、ベルダとルッキーニィのひずみだけ、何故か元世界の追体験でしかありません。
他のひずみは、元の世界で起きなかったことを起こすことで、元の世界に影響を与えるというわかり易いモノなのですが。
元世界の追体験だけで、ひずみはともかく元世界で淀みまで起こしたのはどういうことなんだろう、と疑問です。


ただし、ベルダを止められなかったからこそビスコは犬化したままで、ルッキーニィの行動も変えられなかったからこそビスコが死なない世界に出来なかったのかも知れません。
つまりはメタリカは失敗した。過去の追体験だけでは元世界への影響が足りないと気づけなかった。


もしくは、ビスコの運命は変えられないからこそ、再構築したワタシの世界であっても、ベルダとルッキーニィの事象に関しては追体験しか出来なかった、という可能性もあるかも知れませんね。
もしそうだとしたらその場しのぎとか言ってごめんなさい(汗)。
ただまあその場合、『なぜビスコに関してだけそこまで強固に変えられない運命なのか』という問題が浮かび上がってくるんですが。



今回はここで切ります。
次回は聳え立つブロッケントゥルムさんからです。